人物を描くときによくあるのは、頭身を考えずに描いてしまって、バランスがおかしくなってしまうことではないでしょうか。
頭に合わせて頭身を分割しないで描いたがために、ものすごく頭がデカくなってしまったり、どの位置に体の部位が来るのか分からず胴体が異常に長くなって短足になってしまったりと、頭身を考えずに適当に描いてしまったことで、後々修正する羽目になってしまうなんてことがよくあります。
また、性別や年齢に適した体の作りも理解していないと、女性なのにやたらとガタイのいい人物になってしまったり、顔は赤ちゃんのような顔つきで体が異常に長い不気味な人物を生み出してしまったりしてしまう恐れがあります。
これらを解決するためには、性別や年齢に応じたそれぞれのプロポーションを理解する必要がありそうです。そこで今回は、絵描き初心者に特におすすめされている、A.ルーミス先生著『やさしい人物画』を参考にスケッチしながら、性別・年齢別のプロポーションの基準を学んでいきます。
理想的プロポーション
まずは、男性と女性の理想的なプロポーションで見ていきましょう。ここでいう理想的なプロポーションとは、8頭身のことです。頭身のどのあたりに、体の部位が来ているのかを見ながら、男女の基本的なプロポーションを把握します。


それぞれの性別ごとで特徴がありますね。頭の方から下に向かって見ていきましょう。
男性・女性で共通しているのが肩の位置です。ただ体の幅に違いがある点は注意が必要です。
その下の胸は、乳頭の位置が女性の方が若干下の位置にあります。男性は両方の乳頭の位置が、頭1つ分離れた位置にあることも特徴です。
またへその位置も大きく男女で異なります。男性はウェストより上、女性はウェストより下にへそが位置しています。ひじの位置が、男性はへそと同じ高さ、女性はへそよりも上に位置していることも確認できます。
股の位置も女性の方が下に位置しているため、少し足が短め。この股の位置に対して、それぞれの手首の位置がわかります。男性は手首が股よりも少し下にあり、女性は手首が股と同じ高さにあります。
横から見るプロポーション
この理想的プロポーションを横から見ると、足の部分で注意するべき特徴があります。
一つは、ふくらはぎが肩やお尻の部分よりも飛び出している点。
もう一つは、すねが体の中心よりも引っ込んでいる点。
足が地面に対してまっすぐ垂直に立っているわけではない点を理解しておく必要があります。

- ふくらはぎは、臀部や肩の線よりも飛び出している。
- すねは人体の中心線より引っ込んでいる。
標準型プロポーション
8頭身のようなモデル体型は、なかなかお目にかかることはないかもしれませんね。一般的には、もう少し頭身が低い人の方が見かけることが多そうです。一般的な人の標準的なプロポーションは7頭身半です。ここが人体を描く基準としておくことが良いかもしれませんね。

頭身が異なる場合でも、人物の中心点がどこに位置するかを把握しておくことで対応できます。基本的には股下の位置に中心点がくることが多いです。
体の中心点は腰下の位置にくる。
年齢別のプロポーション
最後に年齢別のプロポーションについて見ていきましょう。子供の頭身がどのような割合になっているのかを参考にします。
10歳のプロポーション

5歳のプロポーション

3歳のプロポーション

1歳のプロポーション

年齢別プロポーションを横並びで比較




まとめ
いかがでしたでしょうか。
『やさしい人物画』を参考にしながらスケッチした絵を用いて、プロポーションの理解を進めてみました。まずは基本となる標準のプロポーションを頭に入れておくことで、人体を描いた時の違和感に気づくことができるようになるかもしれません。
また年齢に応じてどういった頭身になるのかを把握しておけば、人体を描く上でさまざまなケースに対応することができそうですね。
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